M&Aで失敗する企業売却とは?防止策も合わせて紹介!
M&Aでの失敗は大きく分けて2つ存在します。ひとつは「安価で売却」、そしてもうひとつは企業売却成立後の、会社の方針転換や従業員の待遇悪化といった「売る相手の選定ミス」です。なぜこういった失敗が起こるのでしょうか?そこで今回の記事では、失敗する企業売却の原因と防止策を紹介するため、M&Aを検討している人は参考にしてください。
M&Aでの企業売却に失敗する原因
企業売却の失敗には、何らかの原因があります。たとえば、M&Aを考えているにも関わらず知識がない場合は、失敗してもおかしくはありません。また、仲介業者選びや売却先企業の選定などを間違えても失敗につながってしまいます。
M&Aに関する知識不足
売却後にどれくらい資金が残るのかなどの知識が不足していると、企業売却に失敗してしまいます。まったく金額面を意識しなければ、大きな損害を被る危険性が高くなるのは当然のことでしょう。また、その後の税金などを念頭に置いていなければ資金は手元に残りません。M&Aの知識不足は、金銭面以外の失敗も招く原因になるので注意が必要です。
M&A仲介業者選び
知識に乏しい仲介業者を選んでしまうとM&Aは失敗します。そもそも仲介業者の最大の目的は取引を成立させるところにあるので、財務関係や税務関係に弱いアドバイザーが在籍していてもおかしくはありません。
売却先企業の選定ミス
売却先企業を間違えると、失敗してしまうことがあります。相手の購買意欲、売却額だけで決めると取り返しのつかないことになるので注意してください。売却後急に方針を転換される、従業員の待遇が悪くなってしまうことがあります。
入札者数が少ない
売却相手の候補が少ないときは、M&Aに失敗する可能性がでてきます。経営者は、候補が少ないことに焦りを覚え、売却に応じてしまうことも少なくありません。ある程度高額な買取額を狙うのであれば、複数の選択肢があった方が有利です。
企業売却の失敗を防ぐためには?
失敗の原因がわかれば、失敗の防止策は見えてきます。M&Aを成功させるために、必要なことは率先して取り入れるようにしましょう。
M&Aを知る
仲介業者が間に入るとはいえ、まったくM&Aがわからないという状況はよくありません。知識がない状態でM&Aに踏み切る経営者も多いのですが、そういった経営者の失敗が目立ちます。
明確なビジョンの設定
漠然としたビジョンを持っていても、よい結果にはつながりません。M&Aに着手する前に、会社や従業員の将来像や適切な売却額を決めておきましょう。
トップ会談で考え方を確認する
売却後の急な方針転換や従業員の待遇悪化といった失敗を防ぐためには、売り手候補の考え方を知る必要があります。もし、自分が思い描く将来とかけ離れた考え方だとしたら、M&Aは結果的に失敗に終わるかもしれません。経営者同士が直接面談するトップ会談は、相手の考え方を知る絶好のチャンスです。
仲介業者をしっかり選ぶ
買取額や紹介などの単純な理由で決めると、失敗する可能性が高くなります。会社と従業員の将来を託すということを忘れてはいけません。M&Aの仲介業者は、実績、専門分野、対応を確かめたうえで契約するようにしましょう。
必要な費用は出す
M&Aを進めるためには、多額の資金が必要になってきます。あまり大きな出費はしたくないと思うかもしれませんが、必要な費用に関しては惜しまず使うようにしましょう。たとえば、財務や税金について詳しくない仲介業者もいます。このような時は、専門家を探すようにしましょう。
失敗しないM&A仲介業者選びのコツ
M&Aで失敗しないためには、仲介業者選びから真剣に考えていかないといけません。M&Aは多額の資金が動くだけでなく、その後の会社や従業員の将来も左右します。経営者として「この人なら任せられる」という仲介業者を選ぶコツを紹介しましょう。
どの仲介業者に依頼するのか?
ほとんどの経営者がM&Aに関する知識を持っていません。そのため、料金が安い、紹介、仲介業者の規模といったことで決めてしまいがちです。しかし、すべての仲介業者が同じ得意分野やスキルを持っているわけではありません。仲介業者に依頼する際は、自社業界との適合性も選定条件に加えましょう。
アドバイザーとの相性
アドバイザーとの相性も、依頼するかどうかの判断基準になります。仮に自社の業界を経験していても、信頼できないようでは意味がありません。根本的なM&Aの知識や実績、日ごろの対応、自分の持つビジョンを理解しているのかなどを見て、アドバイザーを探すのが失敗しないコツです。
仲介業者の料金体系
仲介業者の料金体系はさまざまです。たとえば、着手金などを先に支払う体系のところもあり、成果報酬型を取り入れているところも存在します。経営者としての希望、会社の資金面を考えた上で選ぶことが大切です。
M&Aで失敗する企業売却は、決して金銭面だけのことではありません。会社の方針が大きく変更され従業員の待遇が悪くなることも失敗といえます。失敗を防止するためには、M&A後の会社統合やその後にも目を向けることが大切です。1人で成功に導くのは難しいため、最適なM&A仲介業者を探して進めてください。